水菜の基礎知識

 

水菜はもともと近畿地方を中心とした地域でかなり古くから愛用されてきた葉野菜です。水菜(ミズナ)は、アブラナ科の越年草で、植物学的にアブラナ、カブなどと同種となっています。ミブナも同種同変種です。

 

水菜は、別名、「京菜・キョウナ」、「柊菜・ヒイラギナ」、「千筋菜・センスジナ」、「千本菜・センボンナ」、「千筋京菜:センスジキョウナ」、「糸菜・イトナ」など、とにかく別名がたくさんあるのも特徴です。一部の図鑑では「キョウナ」が標準和名になっていたりしています。

 

水菜は越冬栽培する一年生植物です。根はあまり肥大しないで細い根葉を多数出します。狭い長形の外観で多数の細かい鋭片の葉をつけます。萌黄色の花は直径1cm程度で4枚の花弁があります。

 

大阪や京都など、近畿地方を中心とした伝統的な品種は、特に葉の切れ込みが深くて葉柄が細くなっています。こうした関西系の品種は収穫期にはほとんど株立ちしません。

 

逆に静岡県や愛知県など、東海地方を中心とした品種は、若干の株立ち状態で収穫され、葉の切れ込みも比較的浅くなっています。

 

関西系のものも生食されますが、やはり、はりはり鍋に使われる方が有名で、それで大阪などで昔から親しまれてきたのです。

 

ちなみにはりはり鍋とは、鯨肉と水菜を使った鍋料理で、大阪では特によく食べられたのです。「はりはり」という名前は、水菜のシャキシャキとした繊維質な食感からきています。東海ものは専ら加熱調理に使われます。