関西で人気だった水菜

前述の通り、水菜は関西では古くから親しまれてきた野菜のひとつです。もちろん最近では全国のスーパーなどの店頭でも並ぶようになっていますが、何より「京の伝統野菜」の一つでもあり、やはり関西の野菜だといえます。

京都を中心に関西で栽培されている在来種の特徴は、葉茎に張りがあって、食べた時にも少しピリッと感じる味にあります。それに対して全国のスーパーなどで並んでいるものは茎がもっと柔らかく改良されたもので、辛味もほとんど感じられなくなっています。

このようにもともと京都で壬生菜と並ぶ伝統野菜なのです。壬生菜(ミブナ)もアブラナ科アブラナ属の一種で、水菜同じ仲間です。カブがあってそこから伸びるところは水菜とまるでそっくりなのですが、違うのは葉にギザギザが無くて、形も細長く丸くなっている点です。少しピリッとくる辛さも、こちらの方がやや強いようです。昔から栽培されている元来の品種は水菜同様、葉も青々として茎もがしっかりしていています。

 

近年は、ハウス栽培もされて、サラダでも食べられる細い品種が登場しています。サラダ水菜も含め、いずれにしても品種改良が進んで、ファミリーレストランなどのサラダや付け合せ、炒め物でも使われるようになったので、かなりメジャーな野菜になったのでしょう。